歯科矯正用のアンカースクリューを用いた矯正治療

歯科矯正用アンカースクリューは、チタン製の小さなネジのような装置で、矯正治療において一時的に埋入し、固定源として使用します。これにより、動かしたくない歯をそのままにしながら、動かしたい歯だけをコントロールすることが可能になります。

例えば、前歯を後ろへ移動させる際に、通常は奥歯を固定源としてゴムで引っ張るため、反作用によって奥歯も前に動いてしまうことがあります。しかし、歯科矯正用アンカースクリューを歯槽骨内に埋入することで、固定源が歯ではなく骨になるため、奥歯を動かすことなく前歯だけを後ろへ移動させることができます。

この方法は、複雑な補助装置を使用せずにシンプルな治療を可能にし、治療期間の短縮や高精度な矯正結果を得ることにもつながります。また、オープンバイト（開咬）、ディープバイト（過蓋咬合）、口ゴボ、ガミースマイルの改善にも有効な手法の一つです。

当院では、診断の結果、必要と判断された場合に詳しくご説明し、ご希望に応じて埋入を行っております。ご希望されない患者さまには無理に使用することはありませんので、ご安心ください。

• ガミースマイル（歯ぐきがでている）方
• 前歯が噛み合わない（開口、オープンバイト）方
• 顎が曲がっている方
• 外科矯正治療を回避したい方
• 抜歯を避けたい方
• 治療期間を短くしたい方
• 装置をなるべく単純なものにしてほしい方
• 出っ歯を治したい方
• 横顔を大きく変えたい方

複雑な補助装置を使用せず、よりシンプルな方法で矯正治療を進めることができます。シンプルな治療法であれば、矯正治療期間中、違和感が少なく快適に過ごすことができます。

奥歯を後方へ移動させる「遠心移動」が可能となり、非抜歯での治療が選択できるケースが増えます。

歯のコントロールがしやすくなり、ガミースマイルやオープンバイトの改善に有効な場合があります。

ゴムかけが難しい場合でも、アンカースクリューを活用することで適切な治療が可能になります。

適用症例によっては、通常よりもスムーズに歯を動かすことができ、治療期間の短縮が期待できます。